X広告「悪意あるリプ」のリスクどう防ぐ?日本でも注目「ブランドセーフティ」の実現法

-この記事は東洋経済オンラインに記事広告として掲載されたものです。-

 

企業がマーケティング活動やブランディングをするうえで、SNSは欠かせないツールとなっている。しかし、せっかく出したブランド広告に不快・有害なリプライが多数ついてユーザー体験を阻害したり、ヘイトやアダルトなどの投稿・広告に挟まれてブランドが毀損されたりする懸念もあるのが事実だ。ブランドセーフティを担保しながら、最大限にSNSを有効活用するにはどうすればいいのだろうか。Xの挑戦を追った。
 

深刻な日本の「ブランドリスク」増大

在宅時間が長くなり、以前に増してSNSに触れる時間が長くなった人は多いだろう。こうした潮流に合わせて、企業もデジタルマーケティングを強化。とくにSNSは顧客接点をつくる重要な場として、多くの企業が大きな期待を寄せている。

ただ、気になるデータもある。インテグラル アド サイエンスの調査「メディアクオリティ レポート2020年下半期版」(※1)によると、日本のデジタル広告のブランドリスクは「10.4%」を記録。2019年下半期の7.6%から、2.8ポイントも上昇した。

Twitter マーケティング リサーチ結果

では、ブランドが抱えるリスクとは具体的に何か。同調査では、低品質なコンテンツに表示された広告について、34%の消費者が「好感度が下がる」と回答。さらに「低品質なコンテンツ環境で広告を見た場合、そのブランドの使用を取り止めることを検討する」と回答した人は65%に上った。ユーザーとの接点を強化するべくデジタルマーケティングをしているのに、それが低品質なコンテンツが表示される環境で行われていたら、むしろブランドが毀損され、ユーザーも離れかねない。

ブランドが抱えるリスクは、ほかにもある。例えば法人アカウントで情報を発信したところ、関係のないクレームや言いがかりが大量についてほかのユーザーが離れてしまうという深刻な被害。「中の人」と呼ばれる運営担当者の何げない発信が、意図せぬ方向で受け取られ、炎上してしまうことも往々にしてある。
 

Xが本腰を入れる「ブランドセーフティ」

X Japanは、こうしたリスクからブランドを守る「ブランドセーフティ」(ブランドの安全性確保)の取り組みを強化している。同社の持田忠一郎氏はこう話す。

「Xの存在理由は、“Serve the public conversation.”、つまりいろいろな人が自由闊達に会話できる開かれた場を提供すること。その対象にはもちろん、一般ユーザーだけでなく、広告主も含まれます。企業が広告を出す場としてだけでなく、自由に、そして安心してメッセージを発信できる場にするために、ブランドセーフティに注力してきました」

同社はグローバルの各リージョン(地域)でプロジェクトを立ち上げ、連携しながらブランドセーフティへの取り組みを推進してきた。

Twitter マーケティング インタビュー


X Japan広告事業部統括部長
持田 忠一郎

Xは、具体的にどうやって企業をブランド毀損リスクから守ろうとしているのか。同社が取り組んでいるのは、「ポリシー(規定)」「製品」「パートナーシップ」という3つの観点からの対策だ。

まず、ポリシーについて。「Xには、ユーザーに対しても広告主に対しても、さまざまな規定を掲げて、プラットフォームとしての安全性を高める努力をしています。例えば、『誤情報を流布しない』『ヘイト行為を野放しにしない』といったXポリシーでコンテンツの質を担保。広告に関しても、本当に広告ポリシーに準拠しているか、人間の目と機械の両方を使って、随時レビューする体制を整えています」と持田氏は強調した。

また、業界内でいち早くポリシーを立ち上げ、政治広告を全面的に禁止することとした点や、喫煙行為を模した代替品を含む、あらゆる種類のタバコ製品のプロモーションを禁止しているのも特徴だ。

Twitter マーケティング 携帯をもつ男性の手

SNS上でのやりとりに悩まされた経験があるという人も、少なくないのではないだろうか

ブランドセーフティ実現には、外部団体との協力が必須

製品面での取り組みも熱心だ。昨年からは、リツイートする前に記事を読むよう利用者に促すなどの施策も行い、一定の成果を上げている。攻撃的なリプライや不快なリプライをつけられてしまう問題に対しては、広告主のアカウントに対してコメントできるユーザーを制限できる機能を実装した。こうすることで「中の人」は余計な消耗をしないで済むし、そのアカウントをフォローしているユーザーも、不快な投稿を見ることがなくなる。

さらに、独自のアルゴリズムで悪意のある投稿をあぶり出して非表示にする「セーフティモード」のテスト運用も開始した。この対象は広告コンテンツに限らない。一般ユーザーも広告主も、より快適なタイムラインを実現できるようになるだろう。

企業の広告コンテンツに、ヘイトやアダルトなどが隣接して表示されることでブランドが毀損されるリスクに対しては、「広告の前後に表示されるコンテンツについてのレポーティング機能を実験的に開発しています。これからはレポーティングの範囲拡大を含め、さらに機能を深掘りしていく予定です」(持田氏)。

そしていちばん注目されるべきは、X が3つ目の観点「パートナーシップ」を活用しながら、業界全体のマルチステークホルダーと協力し、これらの取り組みを進めていることだろう。21年3月には、国際認証機関であるTAG(Trustworthy Accountability Group)の「ブランドセーフティ認証マーク」を取得。第三者のお墨付きをもらうことで、より客観性を持った形に進化した。

国際認証に加えて、国内では11月に一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の「ブランドセーフティー認証」を取得した。これにより同団体が定めた「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」に関わる業務プロセスの認証基準に適合した業務を行っている事業者として認められたことになる。製品面でも、隣接コンテンツのレポーティング回りは、外部団体との協業によって開発している。

Twitter マーケティング 一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)のブランドセーフティー認証マーク

Xが取得した、一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)のブランドセーフティー認証マーク

このように、現在ブランドセーフティを強く推進しているXだが、もちろんこれで終わりではない。最後に、持田氏は今後の展望を語ってくれた。

「先日ある広告主から、『私たち広告主が、プラットフォームの安全性について何も考えずに済めば、それが究極のブランドセーフティ環境だ』とお話しいただきました。当社はいろいろな施策を推進していますが、完成にはまだ遠い状況。これからも世界中のパートナーと歩調を合わせて業界を巻き込みながら、細かくマイルストーンを設定して進めていきます」

すでに顕在化している課題に加え、今は問題として捉えられていないトピックも、将来は大きな課題となるおそれがある。つまり、ブランドセーフティに「完成」はない。これからも、ブランドセーフティを目指すXの挑戦は続いていく。

Twitter マーケティング 対談

※1 インテグラル アド サイエンス(IAS)が発表している、メディア品質指標のグローバルレポート。調査期間:2020年7月~12月。調査対象:IASのPost bid solution(商品名はFirewall )を利用して日本国内で広告配信を行った広告主のキャンペーン
 

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