#PoweredByPosts Japan 2021 イベントレポート
Creative x X で社会課題を解決するアイディアのコンペティション「#PoweredByposts Japan 2021」決勝プレゼンテーションおよび授賞式が10月7日(木)にオンラインで開催されました。#PoweredBypostsについての詳細はこちらをご覧ください。
Xは多くの本音が語られ、その声が集まりムーブメントとなって社会にポジティブな変化を生み出す場所です。このプラットフォームの力とクリエーターやプランナーのアイディアを掛け合わせ、世界をよりよい方向へ動かすためにスタートした本イベントも今回で2回目となりました。今年は177作品が集まり、10組のファイナリストから3作品の受賞が決定しました。
今回は「女性のエンパワーメント」というテーマに合わせ、日々その問題に向き合っているNPOから出た課題に対して、X上で行うキャンペーンアイディアをファイナリストがプレゼンテーションしました。受賞したアイディアは、NPOとXで連携し、実施に向けて動き出します。
最終審査員
太田 郁子
株式会社博報堂ケトル
代表取締役社長 共同CEO
坂井 佳奈子
ハースト婦人画報社
エル グループ 編集局長 兼
エル デジタル編集長
佐々木 康晴
株式会社電通
執行役員
デジタル・クリエーティブ・センター長 / エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター
新町 真弓
講談社
FRaU web 編集長
西村 真里子
株式会社HEART CATCH
プロデューサー/ポリネーター®️
Daniela Bogoricin
X
Director, X Next, APAC
Ryuji Mitsuishi Banderas
X
Director, X Next, Japan & Korea
太田 郁子
株式会社博報堂ケトル
代表取締役社長 共同CEO
坂井 佳奈子
ハースト婦人画報社
エル グループ 編集局長 兼
エル デジタル編集長
佐々木 康晴
株式会社電通
執行役員
デジタル・クリエーティブ・センター長 / エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター
新町 真弓
講談社
FRaU web 編集長
西村 真里子
株式会社HEART CATCH
プロデューサー/ポリネーター®️
Daniela Bogoricin
X
Director, X Next, APAC
Ryuji Mitsuishi Banderas
X
Director, X Next, Japan & Korea
受賞アイディア
<グランプリ>
企画名:#日本女子昔ばなし
チーム:チーム さとさん / 佐藤佳文さん (株式会社電通 PRS局 プランナー)、大久保里美さん (株式会社電通 CXCC局 アートディレクター)
課題:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
女性の意識啓発「女の子、女性も社会を変えることができる!」
グランプリを受賞したのは、日本の「女性にまつわる時代遅れの話」を過去のものにするべく、X上でエピソードを昔話風に変換してツイートしてもらうキャンペーン。「ジェンダーギャップを感じている女性が、その声をあげにくい空気感があり、社会を変えていくためにはそういった空気を打破していく必要がある」と語る大久保さん。そんな中、本音を共有しやすいXというプラットフォームの特性として、WEB漫画テイストや文章で自分の体験をチャーミングにそしてユーモラスに伝える文化があることに着目。キャンペーンで集めた声を特設サイトに掲載したり、絵本にして保育園や学校に配布していく所までを想定し、X発信による立体的なキャンペーンが提案されました。
審査員の坂井氏 (ハースト婦人画報社)は「企画をどう組み立てていくのが良いか自然と考えてしまえるほどワクワクした」とポテンシャルの高さを評価しました。佐々木氏 (株式会社電通)は「昔話というフォーマットを使うだけで、今の問題が本当に過去のものに見えてくるような変換力の強さがあった」と称賛しつつ、「自分の体験もツイートしたいけど上手く書けないという人もいるので、体験からツイートをジェネレートしてくれる機能などがあると良い」と改善点も指摘しました。西村氏 (株式会社HEART CATCH)も「『読み物』である昔話を作る側にまわれるという新しさがある。また昔話は海外にもあるので、世界的にも通用するキャンペーンになってほしい」と期待を語りました。
<準グランプリ>
企画名:#元女の子から女の子へ
チーム:環八(村野と舘林) / 舘林恵さん (株式会社電通 第2CRプランニング局 コピーライター)、村野崇行さん (株式会社電通 第2CRプランニング局 アートディレクター)
課題:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
女性の意識啓発「女の子、女性も社会を変えることができる!」
準グランプリを受賞したのは、元女の子である大人の女性から、自身が体験したジェンダーの呪いを募集し、ジェンダーの呪いを可視化すると共に、その声を今の女の子たちへ向けたポジティブな応援に変えていくキャンペーン。教育の研究所に所属し、15年以上も全国の小中高大の生徒たちと関わってきた舘林さんは「X上には、ジェンダーの呪いに苦しんできた女性の様々な気持ちがあふれているが、現状では愚痴として消費されている。しかしこの膨大な声こそ女の子たちが抑圧から身を守るための財産になるのでは」と提案。3月3日のひなまつりにキャンペーンを開始し、5日後の3月8日の国際女性デーまでに様々なテーマから発話を促す仕組みにすることで、女性たちの縦と横のつながりを強め、未来によりポジティブな変化をもたらすことを狙っています。
審査員の新町氏(講談社)は「舘林さんの実体験に基づく熱意に、審査員一同が動かされた」とコメント。太田氏(株式会社博報堂ケトル)は「Xには愚痴や本音の吐き出し口という側面があるが、それがポジティブに社会を変えていく力になるという発想が企画の間口の広さにつながっている」と称賛しつつ、「男性の参加も促せるような仕組みがあってもいい」と実施に向けた改善点を共有しました。
<X Next's Choice>
企画名:女性の発言力は14文字
チーム:中太 / 中辻裕己さん (株式会社電通 第5CRプランニング局 コピーライター/CMプランナー)、太田文也さん (株式会社電通 第5CRプランニング局 プランナー)
課題:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
女性の意識啓発「女の子、女性も社会を変えることができる!」
多様な業種の広告主に向けたXのブランドキャンペーン戦略やアイディアの支援をしているX Nextチームが選出するX Next's Choice賞には「女性の発言力は14文字」が選ばれました。日本の女性議員の比率はわずか9.9%と世界で166位という事実から、国会において女性の声が9.9%しか反映されていないこと、いかにこの国で女性の声が小さく想いが伝わりにくいかをXで体験してもらうアイディアです。「#」を含めて126文字になるハッシュタグを開発することで、残り14文字しか入力できない仕組みを提案。自由に発言や会話ができるXというプラットフォームの中にあえて社会問題と連動した制限を設けることで、より多くの人に参加してもらい、問題について考える機会を提供することを目的としています。
審査員のRyuji (X)は「非常に面白かった。Xというプラットフォームを上手く活用して、漠然とした数字をわかりやすい形で可視化している点が素晴らしかった」とコメント。Daniela (X)も「広がりのポテンシャルを感じると共に、話題化という視点でメディアにどう取り上げられるかという要素を設計できるとより良いものになる」と期待を寄せました。
関係者によるイベントの振り返りコメント
<審査員を代表して>
佐々木康晴氏 (株式会社電通)
現在の社会情勢だからこそ、Xを含めたデジタルなコミュニケーションというものがより大事になってきていると思います。しかしリアルなコミュニケーションと同じくデジタル上でも様々なすれ違いは起こっている。そんなすれ違いを解消するためにも、皆さんのアイディアが重要であり、リアルの世界以上にデジタルの世界でならそういった問題を解決できる可能性がまだまだある。ファイナリストのプレゼンを聴きながら、そんな学びを今日は得ることができました。皆さんのクリエイティビティでこれからも、社会に広がる課題に取り組んでもらえたらと思います。
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン 様
ファイナリストの方々のプレゼンテーションをワクワクしながら拝見しました。国際NGOプラン・インターナショナルの課題を選んでいただき、本当にありがとうございました。「ひとつのツイート、ハッシュタグ」から、人びとの意識を変えたり、行動変容を促したりしようとしている情熱も伝わってきて、胸が熱くなりました。どれも魅力的なアイディアで、受賞作品を創造された方たちとご一緒できることを今から楽しみにしています。
認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ 様
チーム いろはかるたさん、豆苗さん、スキマCRさん、WACAZOさんを始め、しんぐるまざあず・ふぉーらむのテーマで素敵なアイディアの作品を考えてくださった方々、心からありがとうございました。ご一緒したい作品ばかりでした。ひとり親家庭の中には、平時の困難な課題に加えて、コロナ禍でさらに厳しい社会的な課題で苦しむ親子が多くおります。今回の素晴らしい機会をきっかけに、継続して関心をお寄せくださるとありがたいです。2021年のPBTの成功、そして更なる発展を願っています。
NPO法人キャンサーネットジャパン 様
この度は、素敵な企画に参加させていただきありがとうございました。ファイナリストのアイデアはどれも素晴らしく、またプロのプレゼンを聞かせて頂く経験は初めてでしたので、とても刺激的で楽しい時間でした。私たちが出した課題「子宮がんと言える社会」は、難しいと思っていましたが、今回みなさんで考えていただいたことが、大きな一歩になったと思います。私たちはこの課題解決に向けて今後も真摯に取り組んでまいります。
<進行>
中川 百合 (X Next)
運営を代表して、今回ご参加いただいた皆様、イベントにご協力いただいた皆様、本当に有り難うございました。またNPOの皆様にも感謝を申し上げます。結果がどうなるかわからない中で、共にオリエンテーションからご参加いただいたおかげで多くの方々にとって得るものがある1日になりました。そして審査員の皆様も長丁場の中、有り難うございました。コメントで頂いたフィードバックは実施に向けより良いキャンペーンにしていくヒントになると思います。次回はオンラインではなくフィジカルな場でお会いしましょう!
今回受賞されたアイディアは、実際に社会へアクションを起こしていくために、NGOとXと連携し実施に向けて動き出します。その様子は、Xマーケティングで発信していきますので、ぜひXマーケティング公式アカウント (@XMktgJP) をフォローして最新情報をチェックしてください。
<ファイナリスト一覧>
企画名:子宮がんOG訪問
チーム:チーム ここにいるよ / 尾花真由美さん (株式会社電通 第3CRプランニング局)、永島資子さん (株式会社電通 CXCC局)、古賀晋さん (株式会社博報堂 第3BXマーケティング局)
企画名:#STOPすみません育児
チーム:チーム いろはかるた / 鼎由起子さん、中条匡臣さん (株式会社ADKクリエイティブ・ワン デジタル・コミュニケーション局)
企画名:#思いやりポスト
チーム:豆苗 / 青沼克哉さん、綾部守人さん (株式会社博報堂 第一BXクリエイティブ局)
企画名:命を守る謎解き
チーム:チーム 3Dラムサンド / 森川芹さん (株式会社博報堂 第二BXクリエイティブ局)、岩﨑有紗さん (株式会社博報堂 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局)
企画名:#ひとり親デビュー
チーム:スキマCR / 佐藤日登美さん、太田久美子さん (株式会社電通 第5CRプランニング局)
企画名:#ママを助けるもうひと押し
チーム:WACAZO / 福田将人さん、桑原誠尚さん、藤木良祐さん、安藤大輔さん、渡部大輔さん (株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 ブランドクリエイティブ部門)
企画名:#女性って言わんでいい
チーム:塩見勝義 / 塩見勝義さん (株式会社博報堂 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局)