調査
eスポーツ × Twitter
なぜ今、eスポーツが注目されているのか?
ここ数年で話題に上ることの増えたeスポーツについて、みなさんご存知でしょうか?eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略称で、PCゲームやビデオゲームを使った対戦型の大会が世界中で増加しています。「スポーツ」と聞くと、野球やサッカーなどを思い浮かべる方が多いと思いますが、今後eスポーツのイベントが増加するにつれて、ファンも話題も増えていくと予測されます。
eスポーツの特徴として注目すべきなのが、そのファン層です。代表的なスポーツの興味関心層の年齢構成比をみたところ、モータースポーツとして人気が高いF1(フォーミュラ1)のファン層は6割が40歳以上、プロスポーツとして日本で定着している野球やサッカーも同様に40歳以上が過半数を占めています。一方でeスポーツのファンは若い世代の割合が非常に高く、「Z世代(1996年から2015年の間に生まれた世代)」や、「ミレニアル世代(1980年から1995年の間に生まれた世代)」と呼ばれる人々が6割を占めているのです。つまり、eスポーツはZ世代やミレニアル世代とつながることができる注目スポーツだということがわかります。
各スポーツ興味関心層の年齢構成比
調査委託先| Macromill 2021年5月 スマートフォン利用者対象 15歳~64歳 (n=6,000)
eスポーツファンとソーシャルメディアの親和性
Z世代やミレニアル世代が多いeスポーツファンですが、そのソーシャルメディアの利用状況を調査したところ、実に6割以上の人々が毎日Twitterを利用していることがわかりました。その他のソーシャルメディアと比較しても倍近くを占め、Twitterとeスポーツとの親和性の高さが明らかとなりました。
各SNSの毎日の利用率(ベース:eSportsファン)
調査機関 | Nielsen Japan Esports Fan Insights 2021 13-40歳 Esportsファン n=1,045
Twitter上でのeスポーツに関する会話量は年々増加傾向にあり、2017年と2020年を比較すると5倍以上に伸びています。2019年から2020年は伸びが鈍化してるように見えますが、こちらは新型コロナウイルス感染症の影響により、大型のeスポーツイベントが中止または延期されたことが要因と考えられます。昨今ではwithコロナの形でイベントも徐々に増えており、今後の会話量の大幅増加が見込まれます。
eスポーツに関する会話量の推移
Source: Twitter Internal Data JP Only. Data Period: 2017/01/01 - 2020/12/31 Retrieved Feb 2021
高い熱量が感じられるTwitter投稿頻度
ソーシャルメディアにおけるeスポーツファンの持つ情報発信力、拡散力も注目すべきポイントです。eスポーツファンのソーシャルメディア投稿頻度を調査した結果では、Twitter利用者の投稿頻度がもっとも高く、その多くが週に5回以上ツイートしていることがわかりました。Twitterのタイムラインから情報を得るだけではなく、情報を積極的に発信・拡散しているのがeスポーツファンのTwitter利用傾向と言えるでしょう。人々がTwitterを通じてゲームや選手とコミュニケーションを取り、会話を楽しんでいる様子がわかります。
eSports関心層の各SNSでの投稿頻度 / 週
調査委託先 | Macromill 2021年5月 スマートフォン利用者対象 15歳〜64歳*eSportsに興味がある人 Twitter利用者(n=656) | SNS A(n=301) | SNS B(n=525) *各SNSとも月に1回以上の利用者
eスポーツファン訴求型商品におけるTwitter活用
ここでは、eスポーツなどのデジタル環境をターゲットにした、大手消費財メーカーの新商品「ブランドX」の事例をご紹介します。デジタル環境にふさわしい商品としてのポジションの確立を目標におき、eスポーツファンと親和性の高いTwitterをはじめ、複数メディアを活用したキャンペーンを実施しました。その結果、Twitter利用者におけるブランド認知は、非利用者の1.8倍と高い結果を獲得することに成功しました。さらに、ブランド認知の経路を見ると、テレビCMに次いでTwitterによる認知が高かったことがわかります。このように認知のフェーズで、Twitterは大きな役割を果たしました。
「ブランドX」の認知率
調査委託先| Macromill 「消費財ブランドに関する調査」2021年5月 18歳〜39歳 男女 (全国) Twitter利用者 (n=6,712) *月1回以上の利用者 非利用者 (n=3,288).
「ブランドX」の認知経路 (複数回答)
調査委託先| Macromill 「消費財ブランドに関する調査」2021年5月 18歳~39歳 男女 (全国) (n=4,293) *「ブランドX」認知者ベース
Twitterからの情報が購入のきっかけに
それでは、このキャンペーンが最終的に、購買行動にどの程度結びついたを見ていきます。「ブランドX」の購入者を対象にしたアンケートでは、「ネットやSNSでの評判が良い」という声が多く見られ、その購入の決め手となった情報はTwitterから得られていたケースがもっとも高いことがわかりました。また実際の購入者を分析した結果では、Twitter利用者の購入率が非利用者を大きく上回りました
購入にあたって評判を見聞きしたネットやSNS
調査委託先| Macromill 「消費財ブランドに関する調査」2021年5月 (n=600)18歳~39歳 男女 (全国) 「ブランドX」購入者ベース
「ブランドX」購入者比較
調査委託先| インテージ 「SCIデータ」2020年5~9月 | Twitter利用者(n=3,306)/非利用者(n=1,818) 「SCIデータ」からコアターゲットである男性15-39才「ブランドX」の購入者をTwitter利用者(月1回以上利用者)、非利用者に分けて比較分析を行なった。
Twitterはeスポーツマーケティングに効く
今やeスポーツは、企業やブランドがZ世代やミレニアル世代とつながる重要なカテゴリとなっています。eスポーツファンはソーシャルメディアで積極的に情報収集を行い、自ら発信してくれる存在でもあります。ソーシャルメディアの中では特にTwitterとの親和性が高く、eスポーツファンをターゲットとした消費財のキャンペーン事例でも、認知および購買にTwitterが大きく関与したことがわかりました。また米国では人気eスポーツゲームメーカーがTwitterのカンバセーションボタンを活用したキャンペーンを実施し、キャンペーンのローンチからわずか9分で米国のTwitterトレンドで3位になり、25分以内には1位を獲得したケースもあります(「Call of Duty: Warzone」がTwitter上でプレイヤーと共に1周年をお祝い)。これからますます発展していくeスポーツにコネクトし、Twitterを主軸としたマーケティングキャンペーンを実施することで、より高い成果が期待できるでしょう。