認定代理店 Twitter活用事例

潜在層だけではない! モーメントによるTwitterファンへのアプローチで獲得効率向上、ADKマーケティング・ソリューションズ×ショップジャパンのTwitter活用術

テレビ通販「ショップジャパン」を運営するオークローンマーケティングが公式Twitter(@ShopJapan)を開設したのは2009年のこと 。現在、マーケティングパートナーであるADKマーケティング・ソリューションズと共に運用を続けながら、若年層を含む新規顧客の獲得に取り組んでいます。そこで挑戦したのが、Twitterで“いま”話題になっているキーワードを活用し、Twitterのポジティブ/アクティブユーザーにアプローチするモーメント施策です。従来の商品潜在ニーズ層へのアプローチではなく、モーメント施策で幅広いTwitterファンへの配信に取り組んだことで得られた成果や知見について、オークローンマーケティング 高栁弘教氏、土谷拓史氏、ADKマーケティング・ソリューションズ 永野拓己氏、蓜島由衣氏、中嶋嶺氏に聞きました。

Twitter本格活用に取り組むショップジャパンをADKマーケティング・ソリューションズが総合力で支援

今回は、テレビ通販の「ショップジャパン」公式Twitterの活用について、ショップジャパンを運営するオークローンマーケティングさん(以下、OLM)、運用を支援するTwitter広告認定パートナープログラム ブロンズパートナーであるADKマーケティング・ソリューションズさん(以下、ADK MS)にお話を伺っていきます。まずOLMさんにお聞きしますが、SNSをどのようにマーケティングに活用しているのか、そのなかでTwitterはどのような位置付けなのかを教えてください。

高栁氏:私が所属しているオークローンマーケティングのデジタルメディア セクションは、主にペイドメディアのSEM、ディスプレイ広告、アフィリエイトなどを活用し、ショップジャパン公式サイトに多くの潜在優良顧客を誘導するというミッションを持っています。当社で考えるSNSマーケティングの役割は大きく2つあります。1つはペイドメディアとしての活用で、Twitter以外の媒体も並行して運用しつつ、費用対効果のバランスを見ながら利益・売上を向上していくというものです。もう1つはファンを獲得するオウンドソーシャルとしての媒体の活用です。

Twitter マーケティング 対談

株式会社オークローンマーケティング E-コマース ディヴィジョン デジタルメディア セクション  マネージャー 高栁弘教氏

土谷氏:Twitterの活用、特にオウンドソーシャルに関してはスタートしたばかりで、今年から本格的にチーム制を敷き、本腰を入れて取り組んでいくところです。

Twitter マーケティング 対談

株式会社オークローンマーケティング E-コマース ディヴィジョン デジタルメディア セクション 土谷拓史氏

 

Twitter運用のパートナーにADK MSさんを選んだ理由を教えてください。


高栁氏
:ADK MSさんとは、Twitter含めテレビや新聞などさまざまなメディア活用について包括的に支援をいただいています。当社としては、Twitterと共にさまざまなメディアを活用することで相乗効果を上げ、よりパフォーマンスを高めていきたいという思いがあり、総合的にADK MSさんに運用をお願いしています。

ADK MSさんは企業のマーケティング支援やTwitterの運用に関して、どのような価値を提供なさっているのでしょうか。


永野氏
私はデジタルビジネスプロデュースセンターでグループ長を務めています。このグループのミッションは大きく2つあります。1つはデジタルメディアを活用し、クライアントと企業のビジネス課題を解決していくこと、もう1つはその課題解決を通じ、クライアント企業の成長に貢献することです。なかでもTwitterに関しては、ブロンズパートナーとして年々売上を拡大しているところです。

Twitter マーケティング 対談

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ デジタルビジネスプロデュースセンター 第3デジタルビジネスプロデュースユニット 第8デジタルビジネスプロデュースグループ長 永野拓己氏

 

蓜島氏:私はデジタルビジネスプロデュースセンターのアドテク本部でTwitterを担当し、社内のTwitterアンバサダーとして活動しています

当社は現在、DX時代の顧客体験ソリューションを総合的に提案する「ADK CONNECT」というブランドを展開しています。このなかにある「ソーシャルメディアアクティベーション」という項目では、「公式SNSを総合的に活用して、見込み顧客の発掘・獲得からファン育成、評判の形成と拡散」を醸成するために、SNS活用を企画・運用支援を行うという取り組みがあります。

デジタル化が進みさまざまなタッチポイントが複雑化する今日、総合的な視点で顧客体験を設計しなくてはなりません。そういう意味で、Twitterについても広告はもちろん、公式アカウントの投稿の企画や設計についてもコンサルティングしています。

Twitter マーケティング 対談

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ デジタルビジネスプロデュースセンター アドテク本部 プラットフォーム&アドプロダクト局 パートナービジネスグループ プランナー 蓜島由衣氏

顧客層の若返りと拡大に向け、Twitterのモーメント施策を開始

OLMさんではこれまでどのような形でTwitter公式アカウントを運用してきたのでしょうか。

高栁氏:ペイドメディアとしてのTwitterの強みは、フォロワーターゲティングなど独自のターゲティングにあると考えています。それに加え、モーメントに対して非常に強い瞬間風速があり、大きなイベントや出来事があると反射的にその話題で盛り上がるのもTwitterならではの特徴です。そうした特徴を踏まえ、どう活用していくかがTwitter運用の大きなポイントだと考えていました。

当社はテレビ通販のインフォマーシャルを継続的に展開しており、テレビCMやチラシなどと連携して情報を届けています。そのためTwitter広告の掲載は継続しつつ、さまざまな特徴を踏まえてどう運用していくかをADK MSさんと相談しながら活用してきました。

 

ADK MSさんはどのような形でTwitter活用を支援されてきたのでしょうか。

永野氏:Twitter広告に関しては、コンバージョン数、CPAをKPIに設定して運用しています。特にTwitterのフォロワーターゲティングは多く活用しています。またTwitterはほかのSNSに比べ、より本音が出やすいメディアだと捉えています。そこでOLMさんの人気商品のキーワードを定点観測し、どこに需要があるのかを分析して潜在顧客の発掘につなげています。

 

今回のモーメント施策に至った経緯を教えてください。

高栁氏:ショップジャパンの商品購入者の年齢層は50〜70代で、デジタルだと40〜60代の層が中心です。こうしたなか、より若年層の新規顧客を開拓したいという思いがありました。若いTwitter利用者の方々は、日々アクティブにTwitterを活用して“いま”のトレンドをキャッチしています。そんなTwitterのアクティブユーザーとショップジャパンの商品がどのようにマッチするのか、試行錯誤しながら施策を展開し、新規顧客を広げていくべく努めていました。

 

永野氏:これまでの運用では、ショップジャパンの商品やブランドに興味がありそうな方に対してアプローチし、精度を上げていくという手法を採っていました。実際に定点観測するなかで改めて認識したのですが、プレゼント関連の投稿は非常に多く、そうした投稿を検索している利用者もたくさんいます。このように普段からTwitterで検索したり、商品情報を収集している方に対してのアプローチが有効なのではと考えました。

 

今回のモーメント施策は商品やブランドではなく、Twitterのアクティブ/ポジティブユーザーに対してアプローチするという方法です。先ほど高栁さんからもあったように、Twitterはある特定のイベントや出来事に対して強大なうねりを起こし、瞬間最大風速を上げることができるメディアです。この盛り上がりをビジネス貢献に活かしたいと考え、Twitterのアクティブ/ポジティブユーザーに向けたモーメント施策に至りました。

 

提案を受けて、OLMさんはどのようにお感じになりましたか。

土谷氏:Twitterの特徴である本音や生の声を活かすことができる施策であり、検索とはまた違う形で新しい利用者にアプローチできるという期待がありました。

シーズナルのモーメントを捉えて、コンバージョン数最大240%増

モーメント施策を実施した時期や、どのようなキーワードを使ったのかについて教えてください。

永野氏:提案は2021年の2月から3月にかけて行い、「母の日」と「父の日」、そしてスポーツイベント関連のモーメントを活用しました。まず2021年4月中旬から、母の日の5月の第2日曜日にかけて、「母の日」「お母さん ありがとう」「母の日 プレゼント」などのキーワードを設定しました。母の日が終わると、次は6月第3日曜日の父の日にかけて、同じように「父の日」「お父さん ありがとう」というキーワードを設定しました。

 

その後も「ボーナス」や「猛暑」などのモーメントも入れ込みました。Twitterからモーメントのデータを共有いただいていたので、それも参考にしながら早いサイクルでPDCAを回し、運用していきました。PDCAは長くても1週間単位で回していたと思います。

どのような成果が得られましたか?

中嶋氏:母の日・父の日に関しては、CTRとCVR共に、通常の既存キーワードと同レベルを維持しつつ、コンバージョン数が45%上積みされました。ここで手応えをつかんだので、その後スポーツイベント関係のモーメントにも適用したところ、コンバージョン数が240%ほど上積みできたので、非常に大きな成果が出たと考えています。なお、クリエイティブは既存のものをそのまま適用しました。

Twitter マーケティング 対談

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ デジタルビジネスプロデュースセンター 第3デジタルビジネスプロデュースユニット 第8デジタルビジネスプロデュースグループ プランナー 中嶋嶺氏

OLMさんはこの成果についてどう捉えていますか。

高栁氏:当社の商品にマッチするターゲティングをどう進め、新規増につなげていくかが従来からの課題だったので、その点で今回のモーメント施策は1つの勝ちパターンを得られたという手応えを感じています。

土谷氏:母の日・父の日や敬老の日など、プレゼントと結びつくものがヒットすることは想像がついたのですが、その時盛り上がっているイベントのモーメントを活用することで、Twitterのアクティブユーザーに接触する機会が増え、結果コンバージョン増につながったことは発見になりました。単純に商品やブランドに興味がある層にアプローチするのではなく、アクティブユーザーに接触する回数を増やすことで成果を上げることができるとわかったことは大きいです。

 

モーメントを捉える鍵は迅速なPDCAサイクル

モーメント施策を実施し、得られた知見を教えてください。成果を上げるにはどのような点がポイントになるのでしょうか。

永野氏:モーメントは文字通りタームが短いので、瞬発力がある反面、それを的確に捉えなくてはなりません。PDCAをどれだけ速く回せるかが重要です。また今回の結果により、プレゼントというキーワードはとても効果が高いことがわかりました。そういうキーワードに関しては、モーメントに関係なく、通常配信でも活用しています。

中嶋氏:商材と消費者のニーズが必ずしもマッチしなくてもチャンスがあるとわかったのが今回のポイントだと思います。幅広い業種や商材で応用しやすい事例になったと考えています。

蓜島氏:通常のオーガニックツイートでは、モーメントとコネクトしたいキーワードを盛り込んでいくとやはり成果は高いのですが、広告のターゲティングにモーメントキーワードを活かしたのは今回が初となります。この成果を基に、幅広い業種のクライアント企業に提案していきたいですし、Twitterから送られるモーメントの資料の活用について、引き続き社内啓蒙を進めていきたいと思います。

 

Cookieレス時代、Twitter独自のターゲティングやメディア特性も大きな武器に

今後のモーメント施策の展開やTwitter活用について展望をお聞かせください。

高栁氏:SNSを含めデジタルに注力していく方針であり、Twitterの活用もより強化していくことは間違いありません。モーメント施策に関しても、そのタイミングで利用者により適切な商品をアプローチするべく工夫を重ねたり、クリエイティブを魅力的にするなど改善策を展開したいと考えています。やはりTwitterの特長は、瞬間的に大きな熱量で盛り上がることができる点と、拡散力だと思います。その部分をしっかり数値化して捉えられると、広告成果以外の部分でのTwitterの効果を社内で訴求できるので、出稿量を増やしてさらなる活用ができると思います。

土谷氏:繰り返しになりますが、Twitterは利用者の心の声があふれているメディアであることが大きな強みだと思っています。今回のモーメントキーワードもそうですが、たとえばテレビを視聴している時、何か考えている時のリアルな感情を捉えられるメニューが充実してくると嬉しいですね。もう1つのTwitterの魅力は拡散力です。ある利用者が商品を勧めると、その商品に興味がなくても二次拡散で情報が回っていくので、「よくリツイートする人」「よくお勧めをする人」という特徴を捉えたセグメントができると、さらに活用の幅が広がりそうです。いま、消費者の購入前行動は、「まずSNSで検索」というのが当たり前になっているので、検討前のSNS行動の傾向を把握できると、よりターゲティングの精度が広がりそうです。

高栁氏:サードパーティーCookie規制が強まるなか、ターゲティング精度をどう高めるかが大きな課題なので、この分野に関するメニューやターゲティング手法には期待したいですね。



ADK MSさんはいかがですか。

永野氏:SNSにはそれぞれの特徴がありますが、Twitterの場合、ほかのSNSに比べてコミックマーケットやゲームショウなどとの親和性が高いと思います。スポーツイベントでいえば最近のワールドカップのようなモーメントや熱量の高いイベントには引き続き注力していきたいと考えています。

蓜島氏:部署がらほかのSNSを見ることもあるのですが、そのなかでもTwitterは独自の価値を築いていると思っています。その独自の価値を高めつつ、まさにリアルタイムな「いま」の気持ちや本音を捉えられるターゲティング手法やプロダクトが出てくることを期待しています。

中嶋氏:Twitterの行動傾向も、たとえば性別や年代別で特徴があるかもしれません。そうした傾向を把握できると、ADK MSも運用の幅が広がると思うので、工夫を重ねつつ、Twitterとの連携もいままで以上に高めていければと思います。

※この記事にある部署名等の記載内容は、2022年9月時点のインタビュー内容に基づいております。

タグ
  • 株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
  • 日本
  • パフォーマンス最適化機能
  • B2C
  • Twitter活用事例
  • Twitter広告認定代理店

関連コンテンツ

Xからの最新マーケティングインサイト

メールにていち早くお届けします。