認定代理店 Twitter活用事例
購買や来店に対するTwitter広告の貢献度を可視化!「Twitter Data Hub Omusubi」はTwitter広告運用の“常識”になる
プライバシー保護、運用広告のより詳細な成果計測などさまざまな変化やニーズがめまぐるしく変わるデジタルマーケティング業界。こうしたなか、電通および電通デジタルとTwitterの3社の協力でデータクリーンルーム「Twitter Data Hub Omusubi」(以下「Omusubi」)が誕生したのは2021年10月のことでした。OmusubiはTwitter広告が購買や来店などの具体的な行動変容にどれだけ貢献したかを可視化できるデータ分析基盤であり、広告主のニーズを汲みながら進化を続けています。そんなOmusubiの特長や進化について、電通の友井大将氏、電通デジタルの鈴木悠真氏、Twitter Japanの岡本 純一に聞きました。
電通×電通デジタル×Twitterによるデータクリーンルームが生まれた理由
2021年10月にリリースされたOmusubiとはどのようなソリューションなのでしょうか。
友井氏:OmusubiはTwitter広告データと、個人を特定しない購買データやテレビCM視聴データ、位置情報データ、そして広告主様が持つ1stPartyデータを掛け合わせて測定や分析できるセキュアな分析ソリューションです。「どこで自分のデータが取られているかわからない」というプライバシーに関する生活者の不安を低減すると共に、Twitter広告を運用している広告主様は自社のデータとOmusubiのさまざまなデータを組み合わせることで、広告の成果をより深く詳しく計測できます。
どのような経緯でOmusubiが誕生したのか教えてください。
友井氏:プライバシー保護の観点から3rdPartyCookieからの脱却が進んでおり、新しいデジタルマーケティングの手法を求める声が高まっていました。電通はこうした動きを受け、6〜7年前よりデータクリーンルームの構築を目指してTwitterさんにデータ連携の協力をお願いしていたんです。Twitterさんとはデータをリアルタイム解析する「kizuna communication」の構築で協力してきた実績があり、それが今回につながりました。
株式会社電通データ・テクノロジーセンター/シニア アナリスト/友井大将氏
鈴木氏:広告主のニーズの変化も関係しています。「従来のCookieベースとは異なる新しい手法で、より実態に近い成果を把握したい」というニーズです。売上や購買へ広告がどれだけ貢献したのかという具体的な指標を求める度合いは年々強くなっています。こうした声に応えるためにもCookieベースではない新しい仕組みが求められていました。
岡本氏:そうした動きを受け、電通さんから「今後、セキュアな環境下でデータをきちんと取り扱って分析していくことが必要になる。それがマーケティングにおけるデータやデジタルの価値を証明することになるので、Twitterとぜひ連携したい」とお声がけをいただいたんです。ただ当社はプライバシー保護に関して非常に厳しい基準で対応しているので、当時はデータをそのままお渡しすることは困難でした。
その後広告業界全体でデータクリーンルームへの取り組みが進んだこともあり、電通さん、電通デジタルさんと協力しながらデータ連携に向けて進んでいきました。そしてTwitter自身もパフォーマンス領域へより注力していくなかで、Omusubiが誕生しました。
オフラインデータとの統合で事業KGIに基づいた広告運用を実現
Omusubiの特長を教えてください。
株式会社電通デジタル プラットフォーム部門 プラットフォーム4部 Twitterグループ マネージャー 鈴木悠真氏
鈴木氏:OmusubiではTwitter広告データとオフライン上の購買データ等を紐づけて分析することができるため、Twitter広告単体では計測が難しかったオフライン上での購買貢献を可視化することができるようになります。例えばOmusubiを利用すれば「Twitter広告に接触した人の何%がその商品を店頭で購入したか」ということまで把握できるので、より広告主様の事業のKGIに近いところでTwitter広告を評価・活用することが可能になります。
そんなOmusubiには大きな特徴が2点あります。
1点目は、Twitterが持つ様々な広告データを活用して分析ができることです。Twitter広告データには、インプレッション数の他、リツイートやいいね等のエンゲージメント指標、動画をどれくらい視聴したかという動画視聴深度データが含まれています。これらのデータを使って分析できるのは電通と電通デジタルが運営するOmusubiだけです。
2点目が電通グループが保有・連携する2ndPartyデータとの親和性と補完性です。電通グループが保有・連携する2ndPartyデータとしてはテレビCM視聴データや位置情報データ、店舗購買データなどを活用することが可能です。これらのデータとTwitterデータとの組み合わせは非常に効果的で、Twitterと相性の良いデータ同士を掛け合わせて追加の分析を行なったり、Twitter単独では追いきれない領域を補完して計測を深掘りしたりできるという特長があります。
テレビCMとの相乗効果や来店・購買の貢献度も可視化
代表的なOmusbiの活用法を教えてください。
鈴木氏:「相性のいいデータ」「補完し合うデータ」を使った代表的な活用例として、まずはクロスリーチ分析です。リーチを目的にTwitter広告とテレビCMを掛け合わせた結果を分析するもので、それぞれの広告単体のリーチ効果や相乗効果を可視化します。
テレビCMとTwitter広告を組み合わせてブランディング施策やリーチ施策を行なう広告主様に最適です。
次は購買リフト分析です。補完し合うタイプの分析で、デジタルだけでは追えない店舗の購買データ等を組み合わせて計測します。Twitter広告の貢献度をしっかり見ていくためにベストな方法です。
「Twitter広告に接触していないグループでの購買率」と「Twitter広告に接触したグループでの購買率」を比較します。その差分によりTwitter広告がどれだけ購買に寄与しているかを可視化することができます。食品系や飲料系等の、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどで購買される商品を取り扱う広告主様でよく利用されています。
最後に来店リフト分析です。位置情報データ等を活用し、「Twitter広告に接触していないグループでの来店率」と「Twitter広告に接触したグループでの来店率」を比較します。その差分によりTwitter広告がどれだけ来店に寄与しているかを可視化することができます。店舗を持つアパレル系やファミリーレストラン等の外食産業の広告主様でもよく利用されています。
購買や来店への貢献度が可視化できるのは大きいですね。そのほかOmusubiならではのユニークな利用法はいかがですか?
友井氏:Omusubiでは生活者に対する設問・回答のデータである「アスキング調査データ」も掛け合わせることができます。たとえば回答者の特徴に関して単純なデモグラだけでなく、より詳細に把握することが可能です。これにより広告主様側が想定しているファン層やターゲット層に広告がどれだけリーチしているかを可視化できます。
広告配信を行う際、事前にターゲットとする層やファン層を設定していると思いますが、実際に配信した広告がどの層に当たっているかはなかなか見えません。アスキング結果を広告接触データに結びつけることで、「Twitter広告の配信設定の結果、何%がターゲット層に当たっているのか」、「広告接触の前後で認知度や好意度が変化したのか」などを分析できます。
Omusubiに関して広告主様からTwitter側への反応はいかがでしょうか。
Twitter Asia Pacific Pte Ltd. Head of Revenue Partnerships 岡本純一
岡本氏:Omusubiという基盤が整ったことでTwitterの真価を証明できるようになったことは大きいと考えていますし、多くの広告主様から関心を寄せていただいていることを嬉しく思っています。
広告主様にとっては、Omusubiを活用することでより正しいクリエイティブやコンテンツを最適な利用者に配信していくというブランドスータビリティを確立できますし、それはブランディングやブランドセーフティにつながってくるでしょう。データ活用を受け入れるモチベーションがさらに高まるのではないかと期待しています。
直近のアップデートで購買データの拡充から二次拡散効果の計測までを実現
リリース後から現在までのOmusubiのアップデートはどのように進んできたのか、そして今後のOmusubiの進化について教えてください。
友井氏:直近で大きなアップデートが2つありました。1つは購買データの拡充で、今回Pontaカードの購買データが追加されました。Pontaカードを使用できるコンビニエンスストアやドラッグストアにおける購買の影響を可視化できる大きなアップデートです。
もう1つが、Twitter広告の二次拡散効果が把握できるようになったことです。Twitterの魅力として「特定のツイートに対し、様々なユーザーがさらにツイートすることで話題化されていく2次拡散効果」がありますが、新しい分析ソリューション「Ad Buzz指数分析」では「特定の広告ツイートに接触したことで、どの程度ユーザーが広告に関連するキーワードを含むツイートをして話題化・2次拡散効果が起きたのか」を分析することが可能になります。
岡本氏:パフォーマンス領域においても、ラストクリックの次にあるTwitter以外の場での行動にどれだけ寄与したかが見えるようになりますし、Twitterの真価をより証明できるようになります。需要も高いので今後が非常に楽しみです。
Twitter広告でOmusubiの活用がグローバルで当たり前となるように
今後、電通さん、電通デジタルさん、Twitterの3社でどのような取り組みを進めていきたいとお考えですか。
友井氏:Omusubiの観点でいえば、より多くの広告主様の方が手軽に利用できるようにレポートの自動化や簡易化を進めていくことを視野に入れています。今後も広告主様と生活者をつなぐプラットフォーム・ソリューションとして市場の期待やDXという環境変化に応えられるサービスを共に作っていきたいと考えています。
鈴木氏:環境変化が激しいなか、広告主様がTwitter広告に求める成果はさまざまだと思いますが、そうしたニーズを汲んでTwitter広告の本当の貢献度を示していくことで広告主様の事業成長に貢献していきたいと思います。
そしてTwitter広告を利用することがすなわちOmusubiを利用するといったように、Omusubiの利用が一般化することも目指しています。「Twitterをプランニングする時にはどうハッシュタグを活用するか」は今や当たり前になったのと同じく、「Twitter広告を展開する時は継続的にOmusubiも当たり前に活用する」といった未来が描けるようになると、より広告主様の事業成果に近いポイントでPDCAサイクルを回せるようになり、結果的にTwitterのさらなるパワーアップにもつながると思うので、そこは私たち3社でこれからも注力していきたいと思っています。
岡本氏:私はこの日本発のソリューションを海外にも展開し、グローバルでTwitterの作る価値というものを広めていきたいと考えています。