リサーチ

最新のMarketing Mix Modelingを利用した投資利益率の分析と投資先のガイダンス

独立系調査会社の調査により、Twitterマーケティングキャンペーンは他のメディアチャネルと比較してROI(投資利益率)が40%高いことが明らかになりました。

マーケティングに多額の資金を投じても、どれほど効果があるのか分からないことはよくあります。キャンペーンが上手くいっているように感じられたとしても、それをはっきりと証明する指標がないこともあります。マーケティング担当者は広告メディアの主張を疑いがちですが、それも当然と言えば当然です。

Twitterのマーケティングキャンペーンはどれほど効果があるのか、動画広告は本当に売上に結びつくのか、商品マーケティングとブランドマーケティングの割合はどれくらいが最適なのかといったことを、私たちは具体的な数字を挙げて説明したいと考えました。

それを調査するために、マーケティング通信ネットワークであるDentsu Aegis Network@DentsuAegis)(DAN)、特にそのグローバルメディアエージェンシーであるCarat Global(@CaratGlobal)と、マーケティング有効性調査エージェンシーであるData2Decisions(@globald2d)(D2D)の協力を得ました。D2Dは3つの市場におけるDANのクライアント企業4社のTwitter広告を対象に、一連のMarketing Mix Modeling(MMM)¹調査を2年間実施しました。この4社のうち、2社は一般消費者向けパッケージ商品を扱う大手企業、1社は大手酒造メーカー、そしてもう1社は世界的なスポーツ衣料品メーカーです。

その結果は、非常に印象的なものでした。

4つの事例すべてで、Twitter広告の平均ROIは他のチャネルのメディアROIの平均値を40%上回りました。さらに、この調査からは、Twitterプロモビデオ広告フォーマットはTwitterの他の広告フォーマットよりも20%以上効率的に売上を伸ばす効果があること、商品にフォーカスした広告をTwitterに掲載することで最も高い短期的ROIが達成されることが分かりました。

1. Twitterキャンペーンは売上に直結。

この調査の対象になった4社では、Twitter広告キャンペーンに1ドル費やすたびに平均で2.70ドルの利益が得られました。平均ROIは、他のすべてのメディア広告の平均ROIを40%近く上回っています。

「仕事柄、さまざまなデジタルチャネルのROIが大きく異なることに気付かされます。クリエイティブの強さ、キャンペーン戦略、投資レベルなどのさまざまな要因によって、パフォーマンスは変化します。4社の事例でのTwitterのROIパフォーマンスが同じブランドの他のROIや弊社の他の分析データと比較して一貫して優れていたのは、非常に興味深かったです」ポール・ダイソン氏(Data2Decisions創業者)

2. 動画広告は特に効果的。

この調査では、マーケティングの手段として特にプロモビデオがROI向上に効果的であることも分かりました。英国で展開されたPringles社(Kellogg’s)のプロモビデオでは、同社の平均メディアROIの3倍という衝撃的な結果が得られました。

プロモビデオはTwitterの他の広告フォーマットと比較して最大20%高い売上向上効果があることが明らかになりました。

Twitterによって高いROIが達成されたことは嬉しい出来事でした。今後も英国における弊社の主要デジタルチャネルとして、Twitterを活用する予定です。

サビーン・スプリンガー氏(Pringles EMEA社、シニアメディアマネージャー)

3. 商品を中心に展開しつつ、ブランド価値の向上に努める。

さらにD2Dでは、商品中心のTwitterキャンペーンがブランド中心のTwitterキャンペーンよりも大幅に高いROIを実現するのかどうか、1つのブランドを取り上げてシミュレーションを実施しました。その結果、商品のみのTwitterキャンペーンでは2ドル近い短期売上ROIが達成されましたが、ブランドのみのTwitterキャンペーンでは30セント程度にとどまりました。

ただし、純粋に商品のみを中心としたマーケティングを続けると、長期的にブランド価値の低下を招くため、逆効果になる可能性があります。Twitterにおける商品中心の広告とブランド中心の広告の最適な比率は各ブランドの戦略的目標によって異なりますが、このシミュレーションの事例では、商品広告が70%、ブランド広告が30%の比率に保つことで、短期的なROIを高めながら長期的なブランド価値を維持できることが分かりました。

ブランド中心のメッセージ:
商品中心のメッセージ:

4. 投資の拡大=効果の増大。

また、D2DはTwitter広告の費用を増やした場合のROIへの影響についても予測しました。分析の結果、Twitterキャンペーンへの投資額を増やすことでブランド価値が平均5倍以上に高まる可能性があることが分かりました。さらに、1回限りの大型キャンペーンよりも、数週間にわたってTwitterキャンペーンを実施するマーケティングプログラムの方が効果的であることも分かりました。

Caratでは、他のチャネルと比較した場合のTwitter動画広告への投資の価値をクライアント様にご理解いただくために、Twitterと緊密に協力しています。今回のROIデータは、クライアント様に適切な意思決定を下していただくために極めて重要な情報源であり、Twitter動画広告への投資を増やしていただくための根拠となります。

ウイリアム・スウェーン氏(Carat社、グローバルプレジデント)

利益: マーケティング担当者にとって、TwitterはROI向上の切り札となる可能性があります。また、ブランドについては収穫逓減が発生するほどには投資しないという、潜在的に大きなメリットもあります。

広告代理店やブランドにとって、これは2018年度の予算を計画する際に真っ先に検討すべき点です。

調査方法

¹ Marketing Mix Modelingは、統計情報を利用し、マーケティング活動が事業成果に与えた影響を、他の要因の影響も加味して分析する手法です。それぞれの調査は、売上に影響する他の要因を排除しつつ、ブランドの売上額に対するTwitterの影響を定量化することを目的に行われました。この調査では、2014~2016年にかけて2年間にわたり、各ブランドのマーケティング活動を分析しました。ブランドを中心としたコンテンツとは、オーディエンスがブランドに抱いている印象を変えることを目的としたアクティビティです。一般的にはコンテンツに掲載される商品数が少なく、アクション誘導とセールスメッセージが使われます。

October 31, 2017
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